帝国繊維の改善に向けて
帝国繊維の改善に向けて
ロンドンの投資ファンドアセットバリューインベスターズ(以下AVI)は2020年3月27日に行われた帝国繊維株式会社(以下テイセン)の定時株主総会において、AVIが出した配当金に関する株主提案が過去最高レベルの支持を得たと発表した。
一株につき76円の配当金を分配するというAVIの株主提案は、過去に提案されてきた配当金への支持の中でも最も高く、24.7%の株主から賛同を受けた。
20億円相当の自己株式取得の株主提案に対しても22%の賛同を受けた。
AVIの最高経営責任者ジョー・バウエルンフロイントは、「グループ株主がテイセンの株主の相当数を占めていることを考えたら、弊社の株主提案にこれだけの支持率を得られて大変心強いです。」
「私共のように(別の取引関係の証として保有するのではなく)投資目的で株を保有している一般株主は、テイセンの経営陣や関連グループ株主に対して、有価証券やその他の金融資産で膨れ上がった貸借対照表を改良するべきだ、というメッセージを送っているのです」
「総資産の64%が現預金および投資有価証券から成る貸借対照表、その内{戦略的保有}の目的で全く関係のない不動産会社ヒューリックの株式が32%相当を占めるようなバランスシートを正当化できるはずがありません。」
「私共は、関連グループ株主がテイセンの経営陣に、企業価値を損なう資本構成を合理化するように奨励することを望んでいます。」
大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策)を継続するというテイセンの提案は21.9%の株主から反対されており、それはこの条項は現職の経営陣を安全な立場におくことが目的であるというISSや一般投資家の考えを反映している。
白岩強社長はテイセンの疑わしい自己資本管理の責任を取るべきだという議決権行使助言会社インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)の勧告を反映して、白岩社長再選任に反対した株主は前年より多かった。
AVIは長期株主としてテイセンとの会話を続けていくことを期待している。
AVIについて
アセット・バリュー・インベスターズ(AVI)は1985年にロンドンで設立され、日本市場において長年にわたる経験があります。近年日本では、コーポレートガバナンス改革により日本に対する関心が高まっています。当社では、そのような傾向からやがて大きな変革が起こると考え、ガバナンス改革によってもたらされる多くの投資機会をターゲットとして日本に特化したファンドAVIジャパン・オポチュニティー・トラスト(「AJOT」)を立ち上げました。このAJOTとAVIグローバル・オポチュニティー・トラスト(「AGT」)を通じて、当社では現在550億円を日本の株式に投資しています。 AVIは常に、市場での認知度が低く過小評価されている優良企業に、長期的な視点から投資しています。また、会社の経営陣や取締役会と協働して長期的な企業価値向上を目指しています。
Also available in: